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ちいさなおともだち

category: つれづれ  

朝から、遠雷がありました。
雨は降らないまま、
近づいたり、遠のいたり。


歯科検診の予約があったので、
出かける時間に雷雨だと、
ちょっと困るな。とおもいながら、
支度をして、
玄関の前にゴミを先に出そうと、ドアを開けると、
小さな男の子が立っていました。


我が家は、一番端っこのため、
人が通ることもありません。
家の前に来るのは、
必ず、用事のある人だけ。


不意を突かれて、ちょっと驚く私に、
「こんにちは!」とはきはきした声。


こんにちは。と応えると、


「なまえはなんですか?」と男の子。


「え?私の名前?」


あまりに唐突で、一瞬迷い、
表札を指さして、
苗字を伝えました。


すると、こくっとうなずく男の子。


「なんで?なにか用事かな?」


男の子は、もう私の方は見ていなく、
後ろの景色に目をやりながら
「聞きたかったから。」と答え、
一番端っこのフェンスまで駆け寄り、
がしっとつかまって
空を見ているようでした。


たぶん、雷鳴が気になって、
様子を見たかったのかもしれません。


私は、すぐに玄関の中に入ってしまったのですが、
”ああ、男の子の名前、聞きたかった。私も。”


つっかけサンダルをスニーカーに履き替え、
カバンをひったくるように持ち、
慌ててドアを開けましたが、
もう男の子はいませんでした。



歯科検診のあと、
二子玉川で植物やら文房具やら、
見たいものがいろいろあったけど、
我慢して、食材だけ購入。


夜の呼吸のクラスの準備があるので
早々に帰ってきました。


これからたんまり
雑用をこなして、
家事をしなくては。。。


ため息まじりに
マンションのエントランスに入ると、
ソファに小さな男の子が、
ちょこりんと座っています。


見覚えのあるマスク。
洋服。


そう、朝の男の子でした。



「こんにちは。」
今度は私から。


男の子は
「こんにちは。」と元気に応えてくれました。


「朝、お話ししたの覚えてる?」
「名前を聞いてくれたでしょう?」


男の子は、ちょっと首をかしげて、
何も言いません。


「7階の玄関の前で。」
「会ったよね。」


私がマスクを片方外して見せると、
男の子は
「あ!」とちいさく声をあげて
にっこりうなずいてくれました。


「今度はあなたの名前を聞いてもいい?」


教えてくれました。
フルネームでちゃんと。


急に小さな声になって、
二回も聞き返してしまったけど。



私は、朝のとき、苗字しか言えなかったので、
私の名前はMIKAです。と、
やっと「私」の名前が言えました。


「ね、お友達になろ。」


私が腕を出すと、
恥ずかしそうにしていましたが、
すぐに、
嬉しそうに肘をぐっと出してくれて、
肘タッチをしました。



お兄ちゃんと、お母さんらしき人が
通路を歩くのが見えたので、
男の子はますます嬉しそう。


「またね。」


「ばいばい!」




結局、雨に降られることはありませんでした。



だけど、夕方になった今も、
時折り、雷鳴が
轟いています。


近くでは蝉の声。


夏ならではの競演に、
うっとりしながら、


思い返すきょうという日。


どんな出来事があったとしても、
小さなお友だちができたと思うと、
きょうという一日(ひとひ)が
ふわんとふくらむよう。



佳い日になりました。




IMG_4634.jpg
こんな青空もみえるのに。


夜にはこの辺も
雨と
雷が

やってくるかもしれません。



はーと雲
ハート型だった雲。

くずれてもかわいい。







2021_07_30

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プロフィール

MIKA

Author:MIKA
女は強く美しくがモットー
   
心に響いた美しいもの優しいものや、大好きなお月さまのこと
ヒーリングやリーディングのこと

ちょっぴり可笑しい日日のつれづれとともに


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